勅を奉るに請に依れ

助からないと思っても助かっている

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』感想

普通に面白くて、いろいろと書こうと思っていたものが吹き飛んでしまった。


ありがとギアス!
「昨日」の話あたりからの対比表現は素晴らしい。「今日」に関してはあからさまな反米思想が滲み出ていてどうかと思ったけど、「明日」も含めた3者がいずれも強制意思を持ちつつ、「明日」だけが違う答えを導こうとしている、というのが綺麗に描かれていたと思う。

そういう大きな話だけではなく、最終話ではカレンとスザク、アーニャとオレンジの対比もわかりやすかった。ここでもやはり「自由」が強い。待ちにまったギアスキャンセラーも役に立ったしね。

ゼロレクイエムは引っ張りに引っ張っただけあって、予想通り(いや反対だと思ってたけど)の展開であっても、グッとくるものがあった。結局、王は独りにならなかった訳で、完全にハッピーエンドだと思う。カレンも真意に気づいたみたいだし、「昨日」や「今日」の象徴として描かれていたccも「明日」を手に入れたような場面が入ってめでたしめでたし。欲を言えば、ルルからccにもう一言何か欲しかったかなぁ。



1期はルルとスザクの(抵抗の仕方についての)対比、2期はちょっとめまぐるしすぎてよくわかんないけど、最終的には自由と強制との対比、加えて自由の責任、に落ち着いたのかな。正義か悪かっていう安っぽい二元論にならなかったのは良かったと思う。ただ、2期はルル、スザクともに目的や手段がアレコレ変わりすぎで、そこが少しチグハグな印象になったかもしれない。そのシナリオのめまぐるしさこそ、ギアスの濃さであり、醍醐味でもあるから難しいところだけど。

最終決戦は…いくらなんでも詰め込み過ぎ。ルルやスザクが黙秘するのは仕方ないとしても、カレンや黒の騎士団の面々があまりにも単純すぎる。どこか葛藤しているような表現がないのは流石に脇役すぎるんじゃないかなぁ。

あとは1期から言えることだけど、やたらとムダが多い。存在意義が最後までわからないキャラや、1期から引き継いで結局何もない設定、一瞬で死ぬエリート達etc、ザックリ削ったほうがもっと見やすくなると思う。そういうムダもあわせてギアスじゃね?と言われるとそうっすねwwwって感じなんだけど。



と、いう風に批評っぽくやってみても、毎週楽しみにしてたのは間違いない訳で。
もうとにかく男の子をアツくさせる設定、ギアスにKMFに反乱に戦争!これに尽きる。
それに加えて濃すぎる主人公。coolを装いつつ、誰よりも喜怒哀楽を爆発させ、話が変わるごとに天国と地獄をいったりきたり。いろんな意味でみんなをハラハラさせるルルーシュは、全力で好きになれる稀有な主人公だった。
シナリオは、緻密に組み上げて行く、というようなものでは決してなかったけど、神懸った設定をいかした密度の濃いものであったし、何より各話ごとの引きがうまいのなんのって。来週が楽しみだ、っていう懐かしい感情を揺り起こさせる素晴らしい引き&次回予告の連続だった。

とにかく楽しかった。本当にご馳走様。そして、


ありがとギアス!